大宝寺
大宝寺は大宝年間(701年~703年)の創建で、本堂は鎌倉時代初期の建築で国宝に指定されています。堂内の厨子も本堂と共に国宝に指定されています。
写真の大宝寺の桜には次のような昔話が伝わっています。、
ある長者が大宝寺のお薬師様に願かけをして、女の子が生まれ”露”と名づけ、お礼に本堂を建て寄進しました。それが今の本堂だと伝わっています。
お露は美しい娘に成長しましたが、十五歳のとき病にかかり、乳母が「わが命にかえてもお嬢様をお助け下さい」と、お薬師様にお祈りしたところお露は元気になりました。
病快癒のお祝いの席で乳母は倒れ床につ来ましたが乳母は「お薬師様との約束です」と言って薬も口にせず「お薬師様に、お礼として桜の木を植えて下さい」と言い残して死んでしまいました。
長者は、乳母のことば通り、桜を本堂の前に植えました、桜は不思議なことに枝なしに幹から二・三輪花が咲きましたが、その花の色は母乳のような色で、花はまるで乳母の乳房のようであったとそうです。
そのことから、この桜を「乳母桜」と呼んで今に伝わっています。